ドローンで空から警備・セキュリティ
最終更新日 2023年3月14日
監修・著者 株式会社しごとウェブ編集部
監視に使われている
警備の世界でもドローンの活用が期待されています。移動するセンサーとしての役割を持たせ、巡回警備や俯瞰による監視システムとして人手不足や危険性軽減などの実用性が検討されています。GPSやWiFiによる遠隔操作で主に屋外での使用が検討されており、実際に日本の企業が世界初の実験を行ったことでも話題になりました。
ドローンによる監視としては、不審者や侵入者を感知する警備と、目視による巡回監視を効率化する警備が考えられています。センサーが反応することで、事前に登録されたドローンが出動し、センサーが感知したエリアの状態を撮影したりその映像を配信したりするなどの機能が搭載されています。これは固定式の監視カメラに比べて、位置やカメラの撮影できる範囲が限定されないというメリットがあり、もし車に乗っている場合でもナンバープレートや顔などを移せるように移動しながら撮影できることになります。
ドローン自動で飛行することで、巡回しながらな警備業務も容易になります。万が一の事を考えると人手によって巡回するよりも安全で、上空の高い位置から撮影することで死角を極限まで減らすことも可能です。屋上や高所などの人が立ち入るのが危険な場所でも容易に監視できるというメリットもあります。
どのように活用するか
警備作業の迅速化だけでなく、異なる任務を複数のドローンに同時に行わせることで、より広域での監視能力がさらに向上するなどの効果が期待されます。LEDライトや赤外線カメラを搭載することで不審火や野生動物の発見も簡単で、夜間警備のクオリティー向上や作業員の安全性の向上などのメリットがあります。
KDDIとセコムなどが連携して行なった2018年の実験では、既存の防犯カメラでは十分に対処できていなかった部分をドローンがカバーできるか検証され、複数のドローンを使用して広範囲での映像を一元的に管理し、カメラの制御や飛行ルートの遠隔操作による変更喉の実用性が検証されました。
これはKDDIが提供する4GLTE通信ネットワークによりドローンを遠隔操作し、セコムの警備業務のノウハウやアプリケーションの開発によって監視システムを構築するなどの連携による実現しました。現在のところ検証は成功を収めたようですが、バッテリー持続時間の限界や警備の信頼性などの課題も発見され、更なる洗練が模索されています。
ポテンシャルを秘めたドローン
警備会社では信頼性が物を言うため、ドローンそのものの信頼性や警備システムの安定性などが求められます。そういった課題はあるものの、警備の効率化や広範囲化、クオリティー向上などのメリットが大きく、今後の発展が期待されています。